慢性腎臓病(CKD) は、腎臓の機能が慢性的に低下していく病気であり、日本の成人のおよそ8人に1人が罹患していると言われています。このCKDは、心臓病や透析導入のリスクを高めるだけでなく、脳の健康にも深く関わっており、脳卒中や認知症の発症リスクを上昇させることが知られています。
腎臓は、体内の水分や電解質、老廃物の排泄をコントロールする役割を担っていますが、その機能が低下すると、体内に有害な物質が蓄積したり、血圧のコントロールが難しくなったりします。高血圧は、脳卒中や血管性認知症の主要な原因であるため、CKDによって高血圧が悪化することは、直接的に脳の血管にダメージを与えることになります。また、腎臓病の炎症状態が脳の血管にも波及し、脳梗塞のリスクを高める可能性も指摘されています。
CKDの進行を遅らせることは、脳卒中や認知症といった脳の合併症を防ぐ上で非常に重要です。血糖、血圧、コレステロールといった心血管リスクを徹底的に管理することが、CKD治療の基本となります。特に糖尿病や高血圧を抱える方は、定期的に腎機能(eGFRや尿たんぱく)の検査を受け、早期にCKDを発見し、適切な治療を継続することが、脳と腎臓、両方の健康を守るための大切なこととなります。
医師 菊池清志
注)本コラムは、情報提供を目的としたものであり、当院・医師の意見・方針を反映したものではございません。
参考文献:(Chronic kidney disease and the risk of stroke and dementia)
「もの忘れ」に関するお悩みは、当院の「もの忘れ外来」へお気軽にお越しください。
Web予約