喫煙は、肺がんや心臓病のリスクを高めるだけでなく、脳の血管にも深刻なダメージを与え、脳卒中(脳梗塞や脳出血)の発症リスクを大幅に高めます。しかし、朗報として、禁煙を早期に、そして長期間継続することで、この脳卒中のリスクが劇的に低下することが複数の研究で示されています。
たばこに含まれる有害物質は、血管の内皮細胞を損傷させ、動脈硬化を急速に進行させます。これにより、脳の血管が硬く狭くなり、脳梗塞のリスクが高まります。また、喫煙は血圧を上昇させ、血液を固まりやすくするため、脳の血管が破れる脳出血のリスクも高めます。つまり、喫煙は脳に対して、「詰まる」と「破れる」という二重のリスクをもたらすのです。
研究データによると、禁煙を始めてから数年経過すると、脳卒中のリスクは非喫煙者のレベルにまで近づくことが示されています。これは、脳の血管が持つ自己修復能力を反映していると考えられます。脳卒中を予防し、脳の健康を維持するためには、禁煙が最も費用対効果の高い介入の一つであると断言できます。禁煙は困難を伴いますが、医療機関のサポート(禁煙外来など)を活用するなどして、断固として取り組むことが、脳を守るための重要な提唱となります。
医師 菊池清志
注)本コラムは、情報提供を目的としたものであり、当院・医師の意見・方針を反映したものではございません。
参考文献:(Smoking cessation and the risk of stroke: a meta-analysis)
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