腫瘍マーカーに関する
よくある質問と回答

腫瘍マーカーとは何ですか?
腫瘍マーカーとは、がん細胞自身や、がん細胞に反応した正常組織から分泌される特定の物質です。これらの物質は血液や尿などの検査で測定可能で、がんの早期発見、進行状況のモニタリング、治療効果の評価、さらには再発リスクの予測にも役立ちます。ただし、腫瘍マーカーの値はがん以外の、炎症や良性疾患などによっても上昇する場合があるため、他の診断方法と組み合わせて評価することが重要です。
当院の検査では、男性・女性ともに6種類の腫瘍マーカーを測定します。各腫瘍マーカーの主な対象がん種は以下の通りになります。
  • AFP: 肝臓がんなど
  • CEA: 乳がん、胃がん、大腸がん、肺がんなど
  • CA19-9: 膵臓がん、大腸がん、胆道系腫瘍など
  • シフラ: 肺がんなど
  • SCC抗原: 肺がん、子宮頚がん、食道がんなど
  • CA125(女性のみ): 卵巣がんなど
  • PSA(男性のみ): 前立腺がんなど
腫瘍マーカーの検査だけでがんの有無が分かりますか?
腫瘍マーカーの検査だけでは、がんの有無を正確に診断することはできません。他の検査(MRI、CT、超音波など)や症状、医師の診察結果と組み合わせて評価されます。
MRIによる全身がん検査で腫瘍マーカーを測定するメリットは何ですか?
画像検査であるMRIによる全身がん検査と、生化学的検査である腫瘍マーカー検査を組み合わせることで、がんに対する多角的な評価ができ、診断精度の向上が期待できます。
腫瘍マーカーの値が高い場合、必ずがんですか?
画腫瘍マーカーの値が高い場合でも、必ずしもがんがあるわけではありません。炎症や良性疾患、生活習慣の影響で値が上昇することがあります。
検査結果が正常値の場合でも、がんの可能性はありますか?
腫瘍マーカーの値が正常範囲内であっても、がんが完全に否定されるわけではありません。他の検査結果や症状と組み合わせて評価することが重要です。
MRIでの全身がん検査と腫瘍マーカーの結果が異なった場合どう捉えれば良いですか?
MRIでの全身がん検査と腫瘍マーカーの結果が異なる場合、それぞれの検査が異なる特徴や感度を持っているため、必ずしも矛盾を意味するものではありません。MRIの拡散強調画像(DWI)では、細胞内の水分子の動き(拡散運動)を画像化し腫瘍などの病変部を画像化するのに対し、腫瘍マーカーは血液中の生化学物質の変化を反映します。結果が異なる場合には、医師がこれらを総合的に評価し、さらなる検査を行うことで、診断精度を高めることが可能です。
最後に
当院の検査では、読影医がMRI画像、腫瘍マーカーの値を総合的に判断し、専門医への受診が必要と考えられる場合には、個別の読影レポートに何科を受診すべきかを記載いたします。診療情報提供書を同封いたしますので、お近くの専門医を受診ください。
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