新潟大学の研究チームが日本人の中高年者の集団約1万3,000人を対象に実施した8年間の研究により、食事からのマグネシウムの摂取量と認知症リスクの関連が明らかになりました。研究では、マグネシウム摂取量をエネルギー摂取量で調整した上で、認知症の新規診断との関連を調査しました。その結果、男性において、マグネシウム摂取量が最も低い四分位群は最も高い四分位群と比較して、認知症リスクが73%高いことが明らかになりました。興味深いことに、この関連は女性では認められませんでした。
研究では、男性を基礎疾患の既往歴の有無でサブグループ分析を行いました。その結果、病歴がある群と病歴がない群の両方で、マグネシウム摂取量が低いと認知症リスクが高い傾向が見られましたが、統計学的な有意差には至りませんでした。研究者は、マグネシウム摂取量の少なさと認知症リスクの関連は、基礎疾患の既往歴に一部起因する可能性があると考察しています。心筋梗塞、脳卒中、糖尿病、高血圧などの既往がある方では、マグネシウムの代謝や必要量が異なる可能性があります。
この研究結果は、日本人中高年男性において食事からのマグネシウム摂取が認知症予防に重要な役割を果たす可能性を示唆しています。マグネシウムは神経伝達や脳の血流調節に関与する重要なミネラルであり、不足すると神経機能に悪影響を与える可能性があります。マグネシウムを豊富に含む食品には、ナッツ類、種実類、全粒穀物、緑黄色野菜、海藻類、豆類などがあります。もの忘れが気になる方や認知症予防を考えている方は、これらの食品を日常的に摂取することに加えて、専門外来での総合的な評価を受けることが推奨されます。
医師 菊池清志
注)本コラムは、情報提供を目的としたものであり、当院・医師の意見・方針を反映したものではございません。
参考文献:Journal of Nutritional Science誌(2026年1月)、新潟大学による日本人のマグネシウム摂取と認知症リスクに関する研究
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