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コーヒーの過剰摂取が脳梗塞リスクに関連する可能性あり

最近の大規模な国際的研究で、コーヒーやお茶の飲む量と脳卒中(脳の血管が詰まったり破れたりする病気)の関係が明らかになりました。この研究は、世界32か国で行われたもので、脳卒中になった人とそうでない人の飲み物の習慣を比べています。

研究では、コーヒーや紅茶、緑茶などを「1日に何杯飲むか?」という質問を行い、「全く飲まない」「1~2杯」「3~4杯」「5杯以上」に分けて調べました。その結果、次のようなことがわかりました。

コーヒーの影響

  • 1日1~4杯くらいまでの人は、脳卒中になるリスクは高くありませんでした。
  • しかし、1日5杯以上飲んでいる人は、脳卒中になるリスクが高いことがわかりました。特に脳の血管が詰まって起こる「脳梗塞」のリスクが高まる傾向がありました。

緑茶の影響

  • 緑茶を飲む人は、脳卒中になるリスクが低いことがわかりました。
  • 特に1日3杯以上飲んでいる人では、その効果が大きく、1日5杯以上飲む人はさらにリスクが低くなることが示されました。

紅茶やその他のお茶の影響

  • 緑茶以外の紅茶やその他のお茶も、飲んでいる人は脳卒中のリスクが低いという結果が出ています。特に1日5杯以上飲んでいる人ではその傾向が強くみられました。

研究結果から分かること

コーヒーは適量(1~4杯程度)であれば問題はありませんが、1日5杯以上飲み続けると脳卒中や脳梗塞のリスクが高くなる可能性があると考えられます。反対に、お茶類は1日3杯以上飲むと脳卒中の予防につながる可能性があると考えられています。 研究者たちは、健康のためにはコーヒーの飲みすぎを避け、お茶を適度に取り入れることをおすすめしています。日常のちょっとした習慣の工夫で、将来の健康リスクを減らすことができるかもしれません。無理のない範囲で、飲み物の習慣を見直してみるのも良いかもしれません。

菊池清志

注)本コラムは、情報提供を目的としたものであり、当院・医師の意見・方針を反映したものではございません。

International Journal of Cancer誌 2024年6月18日号より