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職場のストレスで心房細動リスクが2倍に

職場でのストレスが不整脈の発症リスクに

最近のカナダの研究で、職場でのストレスが「心房細動(AF)」という不整脈の発症リスクを高める可能性があることがわかりました。心房細動とは、心臓のリズムが乱れる病気で、脳梗塞や心不全の原因になることもあります。

この研究は、カナダのホワイトカラー(事務職などの座って仕事をする人たち)5,926人を約18年間追跡して行われました。参加者は平均年齢が約45歳で、研究開始時には心臓の病気はありませんでした。

研究では、職場でのストレスを2つの視点から評価しました。

① 仕事の負荷が高いか(忙しすぎる、自由に仕事を決められないなど)
② 努力と報酬のバランスが悪いか(頑張っても認められない、給料が低いなど)

このどちらかに当てはまる人、または両方に当てはまる人が「ストレスが高い」と判断されました。

結果は、18年間で186人が心房細動を発症しました。ストレスがない人に比べて、職場のストレスが高い人は心房細動になるリスクが約1.5倍~2倍に高まっていました。特に「仕事の負荷」と「努力と報酬の不均衡」の両方がある人は、最もリスクが高くなることがわかりました。

ストレスが長く続くと、自律神経(心臓のリズムを調整する神経)のバランスが乱れたり、血圧が上がったり、動脈硬化が進んだりすることが知られています。これらの変化が、心房細動を引き起こす可能性があると考えられています。

心臓の病気リスク回避のためにできること

今回の研究から、職場でのストレスが健康、とくに心臓の病気に悪影響を及ぼす可能性があることが示されました。特に、働きすぎや、頑張っても報われない環境は要注意です。

職場でのストレスを感じている人は、無理をせず、休息をとることやストレス対策を考えることが大切です。運動や睡眠、趣味の時間を確保することも効果的です。会社や周囲の人にも相談し、働き方を見直すきっかけにしてみましょう。今後はブルーカラー(肉体労働)で働く人たちでも同様の研究が行われる予定です。

  菊池清志

注)本コラムは、情報提供を目的としたものであり、当院・医師の意見・方針を反映したものではございません。

※J Am Heart Assoc誌2024年掲載